<はじめに>
野口整体 活元指導の会
熱海本部道場で行なっています活元指導の会では、活元運動、愉気法・潜在意識教育法・体癖の勉強会を通じて野口晴哉先生の生命哲学の世界を金井とも子先生より学んでいます。
金井とも子先生
1939年生。
75年 師 野口晴哉より活元コンサルタントを免許される。
91年より金井蒼天の整体指導補佐として、道場に訪れる人達の相談役を務める。
以下は活元指導していただいてます金井とも子先生のお言葉です。これが私たちの活元指導の会です。
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気・自然健康保持会 金井 とも子
人間は裡(り)に生命を全うする能力を持って生きています。裡(り)の力とは、身体の奥深きところにあり、自意識の外にあり、生き物の深淵の世界でもありますが、本能のうちに存在していると、私が為すことの一つひとつに感じ取り実践して参りました。
そして、その無意の力を有意になしていくのも体、心のはたらきです。
人間もこの星に命を持った時に、無意より、有意を生きる目的として送り出し、個の目的が種となり現われていることです。
生きるを活かす目的とは、人間の尊厳です。その尊い人間の中心も、体の調和、心の調和が無ければ、あらゆる社会の調和の進歩になりません。
生命の最良の状態と自然な心を、その維持を生み出すはたらきは体の運動系にあります。
運動系は生死の根本であり、活元運動を以て、体を感じ取れる根本でもあります。活元運動によって、身体の感覚器官を鋭敏にし、自律性を調和に導くと、人体は秩序の上に成り立つのです。秩序と個体は切り離せません。
活元運動は無意より、有意を結ぶ呼応です。体はすべて生きる先の支度をしています。野口先生は、「体のはたらきは、先をわかっている」と言われていました。
活元運動を通して、身体の自然なる智慧を鋭敏にし、自分を委ね、身体の智慧を自覚して、自ら生命と呼応し、裡の力を引き出していく活元指導の会です。
今(2020年)人類は生命の存続に揺すぶられています。個々の命とは唯一無二なのに、今ほど大切さを思う時を得たと感じたと思います。
健康は生物活動の根源ですが、病を持たない体が人間の悲願でもあり、その思いが医療の進歩に繋がりました。医の進歩にて命の長さを手にしました。でも、私はいつも思います。医療が進歩しても病人が減っていないのです。そこには健康観が変容してしまったのでしょう。
今世界で起こっている命の問題は、未知なるものによって冒されているのではないのです。人もウイルスも遺伝子・染色体によって、体の内部のはたらきに至っているのです。野口先生は、菌(ウィルス)を叩いてばかりいると、菌は、もっと強く変化していくと言われておりました。
良きもの、悪しきものの混濁したものが、体には存在しているのです。そして、人間は調和のもとに適応し混濁した地球という星で生き抜いてきました。今こそ、落ち着いて人間の生きている力にて「丈夫に生きる」ということを考える時期です。「丈夫に生きる」とは、工夫し、考えた挙げ句に為していくのではありません。無意の裡のはたらきの中より、動き、形になることです。人間の為すことには偶然はなく、偶然の前に必然のはたらきが無意にあります。
皆さんももう一度、野口先生の文章の中より、いのちの活かし方を洗い直し、丈夫な体とはどのような感覚なのか、自己の活元運動を通して、いのちの裡を静かに感じましょう。
令和2年 会報 「微笑」より